夏至(げし)の本マグロも脂が乗ってオススメ!産卵で日本海に寄ったところを巻き網で捕獲
四方を海に囲まれ豊富な海の幸に恵まれた国・日本。四季折々の旬の味覚が味わえる国・日本。この国にいてよかった!
本シリーズでは『大阪市場屈指の仲卸の2代目』でもある魚のプロ・上田晋右(じょうたしんすけ)がニッポンの二十四節気にちなんだ旬のお魚を紹介。さあ旬の味覚を愉しみましょう。
皆さまこんにちは。旬のお魚を食べてすか?利州(株)の上田(ジョウタ)です。二十四節気にちなんだおススメのお魚を紹介していきます。今回は・・・
夏至(げし)の本マグロ
夏至(げし・陽暦六月二十二日ごろ)。梅雨の影響もあり実感が沸かないかもしれませんが、一年中で最も日の長いこの時期おすすめの魚はズバリ「天然の本マグロ」。
この時期に漁獲されるのは、鳥取県で水揚げされる天然本マグロ。産卵のために日本海によってきます。そこを巻き網漁船が狙って獲りに行きます。
本来なら秋から冬がきめ細かな脂を出してきて美味しい時期といわれていますが、6月のこの時期も実はおすすめ。いい脂がのっています。漁は6月~7月ぐらいで終わりますので夏の時期の旬といえます。おススメの食べ方は当然お刺身です!
本マグロのお刺身
ここで豆知識。本マグロもそうですが魚は、獲れる漁法で味も変わってきます。本マグロの漁法では、「はえ縄」、「定置網」、「巻き網」がありますが、はえ縄や定置網で漁獲したものは、身の締まりが良くてもちっとした食感が楽しめます。
一方、巻き網で漁獲したものは、身が柔らかく水っぽい感じがすることが多いです。なぜかというと、はえ縄や定置網では、1匹ずつ丁寧に処理をする為、身の赤身の持ちが良く身にも味があります。
一方の巻き網では、たくさんの魚をまとめて獲るので、魚の処理は、はえ縄や定置網と比べると粗くなるため身持ち的に早い時間で黒くなっていきます。ただ、巻き網はたくさん獲るのでその分価格がリーズナブルで、買い求めやすいというメリットがあります。この時期だけのものなので是非食べてみて下さい!
上田晋右(じょうたしんすけ)鮮魚の総合商社利州株式会社2代目。「大阪中央市場に利州あり」とも言われるほど影響力を持った仲卸の後継ぎとして生まれ、幼い頃から鮮魚に親しむ。現在は同社の取締役として鮮魚の流通経路の開拓、小売店への販売戦略提案などを担当。
日本の魚市場の発展を流通と食文化の両面から支える。長年築いてきた大阪の鮮魚市場の深い知識とネットワークを活かし、新たに学校事業軸にした日本の寿司文化の普及に注力している。