『日本大漁物語きじま』の杵島社長に伺いました!
インターンの受入先の1つ、『日本大漁物語きじま』の杵島社長にインタビューをさせて頂きました!神奈川県にて海鮮・会席料理の『日本大漁物語きじま』ブランドを展開するKIJIMA GROUP。
寿司職人養成インターンシップコースのインターン受入先としてご協力を頂き、かつ、店舗職人さんの研修の場として東京すしアカデミーをご利用頂いている。今回は同グループの杵島正光社長にお話を伺った。本記事では店舗の歴史から経営哲学まで余すところなくお話頂いた概要をまとめた。
『日本大漁物語きじま』の特筆すべきすごさ!
浜から直接最高の素材を仕入れるルートを開拓した先駆け。浜の経済を維持しながら共存共栄を図り、浜の人々と共に最良の状態で魚を輸送する手法を研鑽し続け、不可能と言われた活イカの長距離輸送を実現。
看板メニューの「活け烏賊海幸盛り」をはじめ、独自の〆手法をもって実現した最高品質の海鮮をリーズナブルな価格で提供している『日本大漁物語きじま』。その原点は、漁師とすごし、漁師がどうやって食材を扱っているかを垣間見て、「あんな美味しそうなものや、食べ方をお客様に提供したい」という想いだったという。
看板料理の活け烏賊海幸盛り
東京すしアカデミーに職人さんを送る理由
素朴な疑問。独自のノウハウを持つきじまさんがその職人さんをなぜコストをかけ、東京すしアカデミーでの研修に送り出して下さるのだろう?
杵島社長に伺うと、「作業優先ではなく、それを何のためにするのか強い目的意識をもったプロが集う産業にしたい。そして一匹オオカミでのプロ料理人ではなく、飲食経営者を育てたい」という想いが根底にあるという。
同グループが推進する生産性向上の成果として、この3年で3万時間以上の労働時間削減を達成、この削減した時間を教育に。然るべき技術を有する人に敢えて基本を学んでもらうことの効果に着目した。
普段当たり前に処理していることを「なぜそうするのか?」に興味をもち合理的な理由を理解することで技術者としてのレベルアップだけでなく、他の職人への知見の共有を期したという。
実際に東京すしアカデミーで学んだ同店職人の大久保さんは、「技術は店舗で習得できるが、なぜそうするのという理由を習えたことがメリット、これを現場にフィードバックすることが自分のミッション」と語っていた。
杵島社長の経営者としての哲学
「謙虚であること、そして利他の精神が大切」という杵島社長は、利益主導型ではなく持続可能型のモデルをつくることを念頭に置く。「辛抱して見える景色の前で諦める人がいるが、やり続けられる環境を創造発展させることが経営者の使命。
従業員への感謝をもってそれを与えていきたい」と語る。利他の精神は『日本大漁物語きじま』の企業哲学にも宿る。常にお客様に喜んで頂くために、最高の素材を、豪華な店舗で、可能な限りお値打ち価格で提供しつづけることに妥協しない。この道40年の社長自らが常に謙虚に学び続ける姿をもってグループ発展の推進力となっている。
<編集後記>
キーワードは『利他』と『謙虚さ』。「社員の幸福に責任をもち、お客様のために工夫ができることを誇りに思う」と語ってくださった杵島社長。企業秘密である、浜での仕込み方法や輸送の工夫などの映像を惜しげもなく見せてくださった。
最高の食材をお値打ち価格で提供する。活き烏賊を拝んで食べてくださったお客様もいらしたという。「利他」「謙虚さ」「感謝の気持ち」最近の日本で忘れかけられていることを改めて思い起こさせて頂いた。