SUSHI職人、なぜ世界へ行く?
東京すしアカデミーには、海外就職を目的とし寿司の技術習得に奮闘している生徒さんがたくさんいます。
そもそも、なぜ寿司職人として海外に行くのか。
海外の寿司事情はどうなっているのか。
どのような手続きをしたら海外で働くことができるのか。
気になることは山ほどありますよね。
今回はまず、なぜ海外で寿司が注目を集めているのかを皆さんに知っていただければと思います。
出典:農林水産省推計
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/service/pdf/150828-01.pdf
日本食店が9年で3.7倍に!
日本食は現在、世界各国で注目を集めています。
実際、海外における日本食レストランの店舗数は急増中。
農林水産省の調査によると、2006年に約2万4000店だった日本食店は
2013年には約5万5000店、2015年(7月)には約8万9000店と
9年で3.7倍ほどにまで増えていることがわかりました。
日本食人気の背景
なぜこんなにも和食が世界で人気を集めているのでしょうか。
第一に、「WASHOKU」の世界遺産登録です。
2013年12月、ユネスコの無形文化遺産に登録されたことは、日本食人気へ一気に火をつけたと言えるでしょう。
さらに、地域ごとに理由を見てみることにします。
◆欧米などの先進国
栄養の偏りなどによって生活習慣病が拡大傾向にあります。
そこで、栄養価がバランスよく摂取できる日本食が「ヘルシーフード」として注目されています。
◆アジア諸国
所得の増加や交通アクセスの改善により、
日本への観光客が増加、日本食を食べる機会が増えたことが要因の1つだと考えられています。
◆南米諸国
健康に対しての意識が高まる中、
長寿国である日本の食生活に大きな関心がよせられているとのこと。
このように日本食は海外において、
ヘルシーで健康によい、高級感もある食事とされているのです。
そして日本食の中でもその代表ともいえる寿司には特に関心が寄せられています。
「なんちゃって寿司」から「本格寿司」へ
これだけ世界中で大人気の日本食ですが、実際に出されているお寿司は
現地の人向けに作られた、いわゆる「なんちゃって寿司」が主流でした。
現在、世界の日本食ラストランの半数以上が日本人以外の経営者・オーナーと言われており、
実際にお寿司を食べたことのない外国人が見よう見まねで作るお寿司だったのです。
次第に、ユネスコ無形文化遺産への日本食の登録や日本への旅行者の増加等を受け
少しずつ正統派の寿司・日本食に注目が集まり始めました。
特に、主に富裕層が訪れるような高級店ほど、「本物」の寿司を求められるようになり、
「なんちゃって寿司」では通用しない風潮になっていったのです。
こうして「本物の寿司を知る職人」が各国で求められるようになったのでした。