卒業生・松木平の開業ブログ vol.10 「ポーランドメディアで紹介!」
東京すしアカデミー卒業生で
ポーランドで日本式麺専門店「 UKI UKI」を開業した松木平さん。
開業後、店頭には長蛇の列ができるほどの人気店となり
メディアでも話題の店になっています。
そんな中で「 UKI UKI」を取材したポーランドの記事(日本語訳)をご紹介します。
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日本食好きの皆さん。
寿司やラーメンは、もちろん試したことがあるでしょう。
しかし「 UDON」を試したことはありますか?
一度「うどん」を知れば、日本料理のバラエティの豊かさに驚くはず。
先月ワルシャワに日本の麺「うどん」の専門店「UKI UKI」がオープンしました。
このうどん店のオーナーは松木平さんです。
ポーランドに住んで7年になるシェフです。
彼は以前、ワルシャワの寿司レストランに勤め
巻き寿司を担当していましたが、
ここワルシャワには「うどん」の専門店がないことに注目し
数週間前に、新しく自身のレストラン「UKI UKI」をオープンしました。
この日本式パスタとも言える「うどん」の食感と弾力性を再現するために、
製品の品質とグルテンの量などの評価を専門家に依頼したそうです。
ヨーロッパ各地から40種類もの小麦粉のサンプルを集め、メニューの開発に役立てました。
それでは、松木氏にインタビューしてみましょう。
うどんは、一般家庭でも作ることができますか?
「うどんは小麦粉、水と酢を練って作られています。
配合割合や水分量は企業秘密ですよ(笑)。
ちなみに日本人は店で既成のうどんを買うことが多いですね。
私の店では生地を練った後、冷蔵庫で寝かせます。
生地がグルテンを生成するまで、もう一度こねます。最後にのし棒で伸ばし、細断し、麺が完成します。
さらに、沸騰したお湯の中で麺を湯がきます。その後、お湯が濁ってきたら、麺をすすぎます。
うどんは、茹でたあと氷水の中に入れるのが特徴。うどんを茹でる上で非常に重要な要素は「水」です。
実はポーランドの水はうどんをつくるのに理想的とは言えません。
ヨーロッパの水はミネラルを多く含む硬水なので。
日本の水は軟水で地中のミネラル分の影響が少ないため、全ての成分と混じり合い風味を醸し出します。
つまり、皆さんがご自宅で日本式うどんを作れるかと聞かれたら、
「できないこともないが完璧な日本の味の再現は難しい」というのが答えになるでしょう。
しかしこの土地でできる最善の方法を考え、自分自身でその折り合いをつけることが必要なのだと思います。
日本料理の本質とは何ですか?
私は料理には何よりも謙虚さが必要だと思います。
我々日本人は日常生活の行動全てにおいて、そう考えています。
ひとつひとつの工程を重視し、それらをより良くしていくために日々行動しているのです。
料理を建築に例えるなら、まずは城を構築するための強固な基盤を持っている必要があります。
さらに、基礎ができたことで天狗にならず、謙虚に注意深く設計し、
資材を積み上げることで、完璧な建物を目指すのです。
それには絶え間ない努力と細やかな注意力が必要です。
スキルやテクニックより、最も重要なのは料理に対する正しいスタンスだと思います。
日本のシェフとポーランドのシェフとの違いはどんなことですか?
日本人シェフとポーランド人シェフでは、料理へのアプローチの仕方が異なるように思います。
ポーランドの人は自国の料理を非常に誇りに思っていますね。
ポーランドのシェフは自らの腕に自信を持っている人が多いですね。
それはそれで素晴らしいことですが
そのことが彼らの成長を遅くし、知識の習得を妨げている面があると思います。
また、ポーランド人シェフは素材全てを調理し、
スープやソースなどで味を加える傾向にあると思います。
いっぽうで日本人シェフは、素材の味をそのままに活かすことを
重視しています。
うどんはポーランドで言うと、どの料理にあたると思いますか?
うどんはポーランドのピエロギ(ポーランド式餃子)と同じように人々が日常的に親しんでいる料理です。
どちらもシンプルなメニューですが、人々が時間と手間をかけてきた分、
味わい深い仕上がりになっていることと思います。
ポーランドの伝統料理・ピエロギ
出典:Nakarmiona Starecka