スイスで和食教室を運営する女性寿司職人!金融機関経て起業したキャリアウーマン
ディプロマコース113期卒業生の近藤美穂さんにインタビューしました。近藤さんは20年以上スイスに居住。
金融機関などでの勤務を経て、現在は現地でご自身の会社を立ち上げて活躍するかたわら、バーデンという街のカルチャーセンターでスイスの方に寿司を教えています。
編集部:入学前は何をされていましたか?
近藤さん:元々はジュネーブにある独立行政法人で働いていました。
編集部:なぜ東京すしアカデミーに入学されたのですか?
近藤さん:スイスに住んでいた時に、地域のカルチャーセンターで和食講座を開催していたのですが、お客さんから「寿司も教えてくれないか」と言われたんです。
今まで寿司なんて握ったことはなかったので、東京すしアカデミーで学びたいと思っていました。夫が東京に転勤になったので、私も仕事を辞めたタイミングでこの学校に入学を決めました。
編集部:スイスのことについて教えてください。
近藤さん:バーデンはチューリヒから列車で15分ほどのところです。皆さんスイスはとても都会なイメージを持ってらっしゃるかと思いますが、郊外に行くとすぐにシカなどの動物に遭遇するんですよ。
あとは直接選挙制なので政治とかかわりが多いことですかね。細かいことから大きなことまでよく投票しに行きます。毎月選挙の通知が来るんですよ。最近は中央銀行の金の保有率に関する選挙がありました。日本じゃ考えられないですね。(笑)
編集部:スイスのお寿司について教えてください。
近藤さん:スイスは内陸国なので、新鮮な食材が入りにくいですね。イカやタコといった食材が生で食べられることを知らない人がとても多いです。スイス人は基本的には山岳民族なので生の魚とこれまで縁がなかったんです。
今では寿司をすごい美味しく食べてくれるのは革命的だなと感じます。嬉しいんですが、魚はすべて生で食べれると思ってしまっている人もいて、ちょっと心配ですね。
スーパーで「刺身用」なんて書いて売っていないですからね。まだまだ衛生学に関する知識が乏しい現状です。ですから私は講座の中で衛生の知識もしっかり教えています。
編集部:海外では女性寿司シェフは多いですか?
近藤さん:最近では、現地の星付きレストランには、女性シェフもいます。逆に海外で働く場合、女性の方が断然有利だと思います。
まず、外国語を操るのは、女性の方が、堪能な人が多く、どちらかと言えば、コミュニケーション力が、長けています。自分からオープンに積極的に相手と会話していくこと、これは、外国生活でうまくやっていく、ポイントです。
明るく、誰ともコミュニケーションが取れて、よく働き、寿司もうまく握れるとなれば、重宝がられると思います。
編集部:これから寿司職人を目指す方にアドバイスをお願いします。
近藤さん:現地のお寿司屋さんで、握って終わりではなくて、将来経営者になっていく人が増えていったらうれしいですね。
私自身は、海外で会社を起業したので、経営者としての視点で、日本との繋がりも保ちながら、更にビジネスを自分で発展して行けるように、ゴールを定めて欲しいです。
そうすれば、お寿司だけに限らず、他の和食の世界にも広がって行くと思います。
近藤さん、ありがとうございました。海外での起業をはたした近藤さんならではの視点が印象的でした。スイスでの SUSHI文化はまだまだこれから発展の余地がありそうです。ぜひこれからも世界中の人々に寿司を伝えていっていただきたいですね。