蕎麦打ち職人から寿司職人へ転身!チリで永住権を取得した女性寿司職人
南米チリで活躍中の女性寿司職人・佐藤さんは元蕎麦打ち職人。2ヵ月の集中特訓コースを2013年12月に卒業してから都内の高級寿司店で経験を積み、チリへ移住。現在は永住権を取得しています。
寿司バーシェフとして勤務する「SHOOGUN」は首都サンティエゴにあり、伝統的な和食が食べられると日本人駐在員にも人気。
今回はチリの法律で決まっている「3週間の有給バケーション」で帰国中の佐藤さんに東京すしアカデミー校長の後藤がお話を伺いました。
無駄なことは何一つない
後藤:蕎麦打ち職人を5年間なさっていた佐藤さんはなぜ東京すしアカデミーを目指されたのですか?
佐藤さん:とにかく海外で生活したいという想いが強くありました。それなら蕎麦でなくお寿司かな、と思って、調べていたところ、調理師学校とは違い寿司職人養成に特化している東京すしアカデミーを知り、2ヵ月という短期のカリキュラムにも魅力を感じ入学しました。
後藤:2ヵ月間の学校生活で学んだことは今どのように役立っていますか?
佐藤さん:学校では魚を捌くこと、寿司を握ること、の基本を教えて頂きました。寿司職人として4年目を迎えた今でも何か迷いがあったときは当時のテキストを復習することもあります。
また、東京すしアカデミーのFacebookグループをとおして先生方に質問させて頂いたり、遠く南米にいてもどこかでサポートして頂けることが心強くありがたいですね。メールマガジンやブログでみる卒業生の活躍記事にもすごく刺激を受けています。
後藤:佐藤さんがチリを選んだ経緯や理由を教えてください。
佐藤さん:卒業後約3ヵ月間、都内の某高級寿司店にて修行させてもらってルいましたが、海外で働きたいという想いが抑えきれず求職活動をしていました。
当時オファーがあったのが3件。シンガポール、ドイツ、そしてチリでした。シンガポールには日本人職人が多くいるだろうし……ドイツは海外旅行が好きで訪れたことがありますが、なんか肌にあわないな……
チリは社会科で習った南米の細長い国くらいの印象しかありませんでした。でも、スペイン語が身に付くだろうし、そうしたら世界中のスペイン語圏のいろんな国でも活躍できるかな、行ったことのない国だし、くらいの気持ちでチリを選択。
もともと好奇心が旺盛なのと、とにかく海外に出たい、という気持ちからの決断でした。オーナーとSkypeでの面談、数日後には、日本にいるオーナーの知人である貿易会観光社の社長さんと面談、4週間後には出国、気づけばチリで就業してました(笑)
最初は観光ビザで入国、すぐに就労ビザを取得し、3年8ヵ月ようやく永住権を入手できた今振返ると、当時丁度お店の寿司職人が退職するタイミングでもあり、なにもかもがすごくトントン拍子で幸運な出会いだったなと。
後藤:今いらっしゃるお店ではどんなことをされているのですか?
佐藤さん:日本人オーナーのもと30年近く続いているサンティアゴでも伝統あるお店です。トラディッショナルな日本料理を出すことをコンセプトとして、揚げた寿司などいわゆるフュージョンスタイルのお寿司ではなく、江戸前スタイルの握り、細巻き、日本の料理を出してまして、私は同僚のカルロスと寿司バーで生ものを担当しています。
仕入れは週に3回。いきつけの魚屋にいって、すべてチリ産の魚を入れています。例えば、スズキに似たコルビーナ、白身なんだけどほんのり脂がのって、淡泊でおいしい、お刺身にしても、焼いても、煮ても、フライにしても美味しいですよ。
寿司バーカウンター内で、同僚のカルロスさんと佐藤さん
後藤:佐藤さんの今後の展望をお聞かせください。
佐藤さん:最近ようやく永住権が取れました!チリは移民受入れが活発で近隣諸国に比べても生活水準が高いので、最近は移民の数が200%増らしく、基本的には、2年間チリで就業・納税の証明ができれば約半年で永住権が取得できるのですが、最近では1年以上かかるのが普通のようです。
チリの生活はすごく充実しているので、永住権も取得できたことですしこのままこの国で、チリの食材をつかって日本の食文化を伝えていけるような仕事を続けていきたいですね!
後藤:ありがとうございます。最後に受講生およびこれから東京すしアカデミーを検討される方へメッセージをお願いします。
佐藤さん:海外就職を目指す方に、私のケースはとてもタイミングが良かったですが、自分が信じたこと、そして自分自身を信じて突き進すめば突破口は必ずみつかります。
私にとっては東京すしアカデミーがその入口でした。そして普段から積み重ねてきたことが海外に出たときに役にたつと思います。無駄なことは何一つない、自分が積み重ねたものは必ずどこかで活きます。
苦労もあるけど、それを更に上回る喜びを絶対得られる。チャレンジした人しか得られない喜びを掴んでください!