アパレル業からの転身!アメリカ移住のために戦略的に寿司職人目指す:椎葉さん(31)
アパレル関係の仕事に約5年間従事してきた椎葉聡さん(31)。未経験ながら踏み入れた寿司の世界に戸惑うことも多かったが持ち前の粘り強さと負けん気の強さで、めきめきと腕を上げていった。そしてついに、誰もが憧れるアメリカでの就職がきまった。現在、渡航準備の真っ最中だ。
寿司の技術はアメリカへの切符
「アパレル業界から、なぜ寿司職人に?」
そんな風に驚かれたことは一度や二度ではありません。
5年間頑張ってきたアパレルの仕事は好きでしたし、何か不満があったわけではありませんでした。
けれど私には他の何にも代えられない夢がありました。アメリカで働くことです。
初めて旅行でアメリカに行った時に、直観的に「ここに住みたい」と思ったんです。他の国は考えられなくなりました。
どうしたら叶えられるのか、色々考えました。
そして行き着いたのが寿司。
世界的ブームになっていて需要も高まっている寿司を学ぶことが、夢を叶える唯一手段であると思い、
料理未経験ではありましたが寿司職人を志すことに決めました。
世界中どこへ行っても通用する「手に職」をつけたいという気持ちもありましたので、一石二鳥だと思いました。
感動と戸惑いの毎日
調理未経験の私にとって、毎日の授業は驚きの連続でした。
自分が普段食べている食材はこんな風に下処理をするのか、こういう組み合わせで食べると美味しいのか。
授業中は常に感動していたような気がします。
やればやるほど、自分が物知りになっていくみたいで純粋に楽しかったですね。
ただやはり戸惑うこともありました。
一番は労働時間です。前職までは勤務時間や休憩時間がきちんときまっていて、
残業になったとしてもそれほど遅くまで残ることはありませんでした。
飲食業界は労働時間が長いことは重々承知していたのですが、
丸1日ずっと頭も体も使いっぱなしだと、家に帰る頃にはもうぐったり。毎日くたくたでした。
でもこういうのも慣れですからね。
今はかなり体も慣れてきて、ちょっとは使える人間になれたかなと思っています。
ついに念願のアメリカへ
在学中は、学校の就職担当のスタッフと月に1回は話をして求人の情報をもらったりしていました。
ある時、アメリカの寿司店の採用担当の方が求人を出すために日本に帰ってくると知らされて、
せっかくならと思い面談をしました。MIYABIというお店で、今回私が正式採用されたお店です。
まずはトライアルとして現地で2,3週間働いてみないかとお誘い頂き、
実際に海外の寿司店の雰囲気を知っておくことも大事だと思ったので行くことにしました。
実際に現場に入ってみて、ここでやっていきたいと思いました。
スタッフやお店の雰囲気の良さ、まとまりのあるチームで自分自身も成長できる場だと思ったんです。
3週間のトライアル期間を終え、ありがたいことにお店からもぜひ正式に働いてほしいと言っていただけました。
こんな風に海外の求人が常時入ってくるところ、
そしてそれをすぐに生徒に知らせてくれるところは学校ならではだなと思います。
言ってみれば、運命の出会いだったわけです。
目の前の仕事を着実に
MIYABIは客数200席くらいの大きなお店で、寿司と鉄板焼きがメインです。
そこで、セカンドシェフまたはトップシェフとして働いてほしいと言われています。
けれど、ただ技術があればいいというわけでもありません。
というのも、飲食店なので当然衛生管理や食材管理も徹底しなければならず、
それらはできるだけ日本人に任せたい仕事だそうなんです。
この食材はまだ使えるのか、それとももう腐っているのかなど、匂いの選別は日本人の方が得意といわれています。
そこまで任せてもらえるようになれば一人前ということですね。
そのためにまずは目の前のことを着実にやらないと。
まずはメニューを覚えなければいけません。ロールの種類が40種類くらいあるんですよ。
中に入っているものやソースによって名前が変わったりするので大変です。
ぶっちゃけ、全部同じようなもんじゃないか!とも思いますけどね。(笑)
さらなる夢にむかって
MIYABIでの契約は3年間なので、まずはその期間責任もって働くつもりです。
その後のことはやりながら模索していけばいいかなと思っています。
グリーンカードを取るのか、他の国で挑戦してみるのか・・道は色々ですから。
でも、私の人生の最終的なゴールはまた別にあります。キューバに行くことです。
日本食もまだ浸透していなくて、色々な整備もまだまだ途中の国です。
そういう未開の土地で刺激をもらいながら仕事をしたいんです。
どうしたらキューバで仕事をすることができるのかはまだ調査中なのでなんとも言えませんが、
可能であれば完全移住をしたいと思っています。
日本への直行便もなくて、簡単に帰国できないような遠い土地で、
刺激を受けながらものんびり暮らしていきたいと思っています。