お寿司の笹ってなんのため?
卒業まで残り2週間となったdiploma二か月コース。入学時とは比べ物にならないくらい綺麗にお寿司を握れるようになってきた皆さん。
来週から卒業テストに入るのですが、先日の午後はちょっと面白い「笹切り」の授業でした。「でも、あれ?これって何のためにあるの・・・?」
皆さんはご存じですか?
先人たちの知恵
昔から日本では、食材の保存のために柏の葉などで食材を包む風習がありました。
その中でも笹は、現在の江戸前寿司の原点でもある「熟れ寿司」の時代から使用されていた記録があるそうです。
殺菌効果のある笹を寿司の下に敷くことで、少しでも寿司の腐敗を防ごうとしていたのです。
そしてもう1つ重要な役割を持っていました。
江戸後期に誕生した江戸前の握り寿司は、
最初は今で言う庶民のファストフードとして屋台で売られていました。
その後、店舗を構えた寿司店も姿を現し、出前も請け負うようになったのです。
当時は内店と顧客の繋がりはとても強固なもので、出前の際にはこの笹で
届け先の家紋を型取って寿司の上にのせて届ける店もあったのだとか。
こうして寿司に笹切りを添えることは日常となり、技術もどんどん進歩していったのでした。
時代とともに変化した役割
時代とともに、冷蔵庫の普及などによって笹切りの役割は変化していきました。
隣り合うネタとネタの味移りを防ぐため、深い緑で色彩にバリエーションを待たせるためという役割ももちろんですが
網目に切ったり、模様を切ったりといった芸術性の高い飾りととしての役割が大きくなったのです。
このような、寿司の上に飾る笹切りを「化粧切り」と呼び、寿司をより一層華やかなものにしてくれます。
笹切りには高い技術力が必要になることから今ではコンクールも存在するようですよ。