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バンコクで開業!元考古学者の鮨職人 佐々田さんの根底にあるミシュラン星付き店での経験

寿司シェフコース3期(2012年)卒業の佐々田友規さん(41)は元考古学者。遺跡発掘に携わる。その後飲食業界に転身し、居酒屋の店長業務をしながらすしアカデミーへ通う。卒業後は国内外の名だたる高級鮨店で経験を積み、2019年2月にタイのバンコクで自身がオーナーシェフを務める鮨屋をオープンする。

開店準備のために2018年12月25日に帰国した佐々田さんと、東京すしアカデミー代表の福江誠による超貴重なインタビューとなっております。前半・後半に分かれていますので、後半の記事もお見逃しなく!

卒業から6年で自分の店を開業

福江:開店準備ですか?

佐々田さん:2月の半ばを予定していますが、すこし遅れると思います。

福江:楽しみですね。じゃあ行かないと。

編集部杉山:寿司を始めて何年ですか?2012年からですよね?

佐々田さん:2012年卒ですか?僕?じゃあ6年くらいですか。

編集部杉山:スピード出世ですよね?

佐々田さん:2年間料理長を務めた店が18年の8月の末に閉店しましたが、それまでも準備は続けていました。

編集部杉山:声を掛けてくださる方がいるとおっしゃっていましたよね。

佐々田さん:そうです。バンコク生活は4年ですが、その間に、色々と声(出資のお話)を掛けていただきました。

編集部鈴木:1年コース(※現在のインターンコース)を受講されたんですよね。

佐々田さん:はい。それももう記憶が定かではないです。3カ月くらいだと思っていました。居酒屋の店長をやりながらここへ通っていました。

編集部杉山:2014年のインタビュー記事を見返したら眠さとの闘いと書いてありました。

佐々田さん:そうでしたか(笑)店長の仕事が夕方の4時から深夜0時とか1時、2時までだったのでちょっと寝て、学校は9時スタートですよね。そのとき大船に住んでましたから。片道1時間くらいかな。そういう生活を1年もしていたんです。よく体がもちましたね。

日本・アジア・ヨーロッパで貪欲に修行

編集部杉山:卒業後に銀座で働いてからはずっとアジアでやってきたんですよね?

佐々田さん:ヨーロッパにも行きました。スイスのローザンヌと、先日スペインとポルトガルにも行って来ました。ヨーロッパでミシュランの星を取っている店の体験をしたくて。

知り合いの紹介で、2週間働きました。ポルトガル料理です。ポルトガルのリスボンで二つ星を取ってるお店で。

ちょうど僕がいた翌週に『ポルトガル・スペインのミシュラン』の発表パーティがあるとかで、そのレストランのシェフが料理をアレンジするということで忙しそうでした。

編集部鈴木:それは新しいお店のヒントを探してということですか?

佐々田さん:はいそうです。

編集部鈴木:明確なこれがやりたいという目的があったんですか?

佐々田さん:そういうわけではないです。テクニックだったり、ちょっとした料理の香りでも、新しい食材でもいいし、インスピレーションを得たかったんです。

編集部鈴木:なにか収穫はありましたか?

佐々田さん:科学的なやつです。

編集部杉山:液体窒素とか?

佐々田さん:そうそう。実際どうやって使っているのか色々教えてもらいました。あと、ヨーロッパの食材と環境は素晴らしいです。そうイメージを持って帰ってきて、自分の料理を作っています。

タイ人は親日家が多い

編集部杉山:バンコクのお客さんはタイ人の方がほとんどですか?欧米の方は来ますか?

佐々田さん:タイ人の人が9割以上ですね。ほとんどタイの人で、欧米の方は少しです。

編集部杉山:タイの人はどんなお寿司を好むんですか?コテコテの江戸前みたいな?

佐々田さん:そうですね。昨日もタイの友達と会ってたんですが、みんな日本のことが好きで頻繁に来ていて、ミシュランの星が付いているような一流のところを予約して食べにいっています。

それでタイに帰ってきて日本の鮨屋と比較するわけです。そういう人たちを納得させるには基本的なレベルは一流のところと同じものが求められます。

編集部鈴木:新しいお店は価格帯的にはどのくらいでしょうか?

佐々田さん:お酒も含めて日本円でだいたい客単価2万円です。

編集部杉山:ソムリエをされてたんですよね?

佐々田さん:ポルトガルとスペインのワインが素晴らしかったです。非常に美味しかった。ポルトワインとかマデイラとか、素晴らしく美味しい。

編集部鈴木:すごいですね。寿司職人もやってソムリエもやって。

佐々田さん:必要なことだと思います。お客さんに色んなことを伝えなきゃいけないんで。やっぱり色々知っておかないと。

星付きの鮨屋での経験があったから常に星を意識した仕事ができている

編集部杉山:影響を受けた方っていますか?

佐々田さん:影響を受けたのはやっぱり銀座で働いた寿司屋ですね。非常に厳しかったですけど得るものは大きかったです。

編集部杉山:どのくらいいらしゃったんですか?

佐々田さん:1年ちょっとです。

編集部杉山:当時は年齢的には30代?

佐々田さん:30才超えてますね。でもそれでも受け入れていただいたのはそこだけで、本当に良い経験をさせてもらったと感謝しております。あそこで少しでも働かせていただいたお陰で、星を意識して仕事をしています。

編集部鈴木:バンコクにもミシュランの星付きレストランはあるんですよね?

佐々田さん:あります。

編集部鈴木:現地のタイ料理が多いんでしょうか?

佐々田さん:タイ料理が多いです。フレンチもありますし、世界的にも有名な『ガガン』というインド料理店もあります。寿司は一店だけあります。

編集部鈴木:新しいお店は席数はどのくらいなんですか?

佐々田さん:カウンターで12席です。

編集部鈴木:スタッフさんの人数はどのくらいを考えているんですか?

佐々田さん:僕を含めてキッチンに4人。サービスが5人です。

編集部杉山:採用はすべて終わっている?

佐々田さん:まだです。とりあえずマネージャーとキッチンのスタッフ2名が決まっています。

編集部鈴木:色んな国籍の方をマネジメントされる上での苦労はありますか?

佐々田さん:国籍関係なく共感してくれる人は付いてきてくれるし、付いてきてくれない場合は、それはもうしょうがないです。去る人は追わず。

福江:タイだと修行みたいな人を育てる感覚っていうのは、教えるほう、受け取るほうとしてはありますか?

佐々田さん:僕は色んな国で仕事してきましたが、タイは一番そういうところは心地良いですね。礼に始まって礼に終わる国なので。だから教える側、教わる側として日本に近いです。タイの好きなところです。

福江:じゃあ気持ちよく教えられるっていう?

佐々田さん:教えられます。お客様も非常に礼儀正しく紳士的です。

後半の『ストイック過ぎる探究心!佐々田さんが寿司激戦区のバンコクで勝負できる理由』へつづく。寿司激戦区のバンコクで勝負するために佐々田さんがどの様な戦略でご自身のキャリアを積んできたのか?注目です。

2014年のインタビュー記事『銀座の高級店で経験積みバンコク店の立ち上げメンバーとしてタイに渡り活躍』も合わせてどうぞ。


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