寿司を学ぶ理由が切れ者すぎる!ブラジルで活躍する農業コンサルタント:村上清高さん(32)
集中特訓コース143期卒業の村上清高さん(32)。ブラジルを中心に農業のコンサルタントとして活躍する村上さんはお寿司の技術を『人と仲良くなるために』使いたいとアカデミー受講を決める。どういうことなのか?村上さんに詳しくお話を伺いました。
6年勤めた会社を退職して28歳でアマゾンへ
編集部:現在のご職業が農業コンサルタントとのことですが、どうやってその世界に入ったんでしょうか?
村上さん:大学の農学部に入って、卒業後は大手種苗メーカーに就職して、農家さんに技術の指導をする営業担当をしながら日本の農業について学びました。
サラリーマンとしてずっと働いてもよかったんですが、自分でもっといろんなものを見たいと思って、6年勤めた会社を退職して、28歳でブラジルのアマゾンへ行きました。
アマゾン川の北の方には日系人が多く住んでいるコロニーがあって。彼らは戦後の移民政策で日本からブラジルに流れた人やその子孫たちです。そこの出身者に友人がいて、ブラジルに行ったのは彼がきっかけです。
実際に行ってみたら農業をやっている人はいるし、そこで日本の農業の技術を伝えることが仕事になるのかなと感じました。
彼らの顔は日本人だし日本語もしゃべります。でも、日本には住んでないからこそ自分たちがいかに日本人らしく生きるかみたいなことをとても意識していて、僕も大きな影響をうけました。
日系人の人達に1年間生活の面倒を見てもらった
編集部:その方達は今おいくつぐらいですか?
村上さん:戦後に行った第一世代の人だと80代、90代。その息子さんたちで5~60代とか。僕は孫世代にあたる三世の人と日本で友達になったんです。その人たちも日本語を話しますし、コロニーの中には日本語学校もあって日本の文化を大切にしていました。
ブラジルに渡って1年くらいは宙ぶらりんな状態で、日系人の人達にほとんど生活の面倒をみてもらってたんですよ。住むところや食事の面倒もみてもらってすごくお世話になりました。
そのうち、こんな面白いやつがいるよって広げてもらって、そしたら日本の種苗メーカーにいたことに興味持ってもらって、ある方から、これからブラジルでなんかするんだったら学生ビザを取った方がいいんじゃないかとアドバイスを受けて、ブラジリア大学に入学して修士課程を卒業しました。最終学歴ブラジリア大学です。
編集部:学校には何年間通ったんですか?
村上さん:大学院生として2年間行きました。ポルトガル語で論文も出しましたよ。
日本のチームと僕が作っている技術、酵素だったりとかバクテリアの商品、日本の有機栽培で使われているようなものを、畜産農家や有機栽培をしている農家へ行って研究目的で実験をさせてもらいました。
自分たちの日本の技術を売り込んで、それがいくつかうまくいって、ブラジル政府の肥料登録とかもできたんですけど、これから日本の商品を送っていくみたいな仕事も結構おもしろいのかなと。
すしアカデミーに来たのは趣味
編集部:村上さんはどうして東京すしアカデミーを受講されたんですか?
村上さん:これは最初から皆さんには言っているんですが、すしアカデミーに来たのは趣味としてなんです。これから先も僕は農業の仕事をしますが、ブラジルで人脈を広げるのに活用したいと考えています。
ブラジルの農家の経営者って皆金持ちなんですね。自家用ジェットを何個ももっているとかのレベルです。だからレストランとかもいくつもやっていて日系人も多いから和食のレストランが多いんですよ。
だから、正面から農業コンサルとして入れなかったとしても、ディプロマを持ってるやつがホームパーティーで寿司を握れるアピールが出来れば、それが仲良くなるきっかけになるんじゃないかと。
寿司も握れて農業的なこともしゃべれるヤツって、ブラジルではオンリーワンに近いはずです。自分のキャラクターを演出する意味で寿司を有効活用したいと考えています。
あとはアマゾンでものすごくお世話になってるんで。1年間住むところと食うものをずっと与えてもらってたので。今度ブラジルに行ったときに、江戸前寿司ってこういうもんだよっていうことをちゃんと正しく伝えられれば歓迎してもらえると思ったんで。ひとつの恩返しにもなるかなと。
でも、職業にはしませんけど授業への姿勢は比較的真面目な方だったと思っていて、成績みて頂けるとわかるんですけど(笑)なので趣味とは言いつつ本気の趣味になるのかなって思ってます。
ブラジルで広がった飲食関係の人脈があって、4月ぐらいにその人たちが日本に来るんですね。僕が全部案内するんですけど、すしアカデミー築地校の1日体験レッスンに参加させてもらおうと思っています。
それで僕が一緒に体験させてもらって隣で僕が結構なスピードで寿司握ってたら、やっぱりこいつ口だけじゃねえなって思ってもらえるじゃないですか(笑)
おやつみたいなブラジルの寿司
編集部:ブラジルのお寿司屋さんてどうですか?
村上さん:世界寿司なんとかっていう大会(※おそらくWORLD SUSHI CUP®JAPANと思われる)で優勝した人のお店に行ったことがあります。
握りの技術はあるんでしょうけど寿司の好みってやっぱりその国の人の好みになっちゃうんで、外国で寿司食って美味しいと思ったことはないですけど寿司屋はすごく多いですね。
サーモンばっかりですし。ロールでもマンゴー入れたりイチゴ入れたり、チーズとか全然美味しくないやつ。酢飯も酸っぱいし甘いし、おやつを食べてるような。
編集部:日系人の方達もそういうお寿司が好きなんですか?
村上さん:寿司ってそういうもんだと思っちゃってるかもしれない。でも僕が正しい寿司を勉強してきました。寿司って本当はこうだったんですよって食べてもらって、こっちの方が美味しいよねって言ってくれたらいいな。
あとはブラジル特有の川魚がいっぱいいて、結構美味しいんですよ。そういう魚を捌いて握ってみても面白いかな。全然臭くないし刺身で食ってる人も多いんで。
農業の仕事で世界中へ行きたい
編集部:今後はブラジルに拠点を置くんですか?
村上さん:ブラジルには仕事もあるし今後も行くんですけど、ブラジルだけにこだわるつもりはないんです。ブラジルって農業の先進国なのですごく技術が進んでるんですね。
その中で日本の技術をブラジルに広めたっていう実績があれば、それだけで世界中に呼ばれると思ったんです。実際すでにそういう話が来ていて、エジプトとインドネシアとフィリピンは行っているんですよ。
僕が昔目指していた世界中に仕事と称して行けるっていう環境がだんだん出来つつあります。
編集部:では拠点は日本なんですね。
村上さん:そうですね。今のところ軸足は日本に置きたいなと思ってますね。外国だといろんなストレスも多かったですし(笑)
編集部:ちなみにどんなストレスがあったんですか?
村上さん:論文の書き方一つでもそうです。字体とか文字のサイズとか余白とかも決まっているのに細かく教えてくれる人がいなくて、先生に質問しても回答がくるのが2週間後だったり。先生がどっかに行っちゃったりとかもするし。
そうなるとどんどん締め切りに追われてビザが切れても論文出せずにいて。早く日本に帰って次の仕事がしたくても出来ずとか、趣味の筋トレも1ヶ月以上できなくて、どんどんストレスがたまって、研究所と住んでるところの往復だけでこの辺でっかくハゲたりして(笑)
編集部:苦労されましたね(笑)
村上さん:あの時は仕事もあまりうまくいってなかったというかどういう風に進めていくか攻めあぐんでいた時だったので、それでいろんなことがたたりましたね。
編集部:アマゾンでお世話になった方達にお寿司喜んでもらえると良いですね。
村上さん:そうですね。アマゾンの人達は本当にいい人達なんで。彼らにはこれからも通って、寿司で恩返しをしたいですし、ブラジルは農業は進んでるしこれからも農業でブラジルにはからんでやっていきたいなと思いますね。