動画でマスター!イボダイの仕込みと握り
イボダイ?エボダイ?
出典:http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fish/Ibodai.htm
イボダイは東北以南の日本海沿岸から東アジアの比較的温暖な海域に生息するイボダイ科の魚で、成魚は20cmから30cmほどになります。
獲れる地方によって様々な呼び名が付けられていることから、身近な魚だと言うことが分かります。東京から神奈川にかけては<エボダイ>、関西では<ボウゼ>、九州ではモチウオやモチノウオなどと呼ばれているほか、中国、四国ではシズという呼び名もよく耳にします。
イボダイのイボと言うのは、プクッと出たイボではなく、お灸をすえた後にできるアザのようなものを意味し、イボダイのエラの上にある黒ずんだ部分がこのアザのように見えることからそう呼ばれるようになったそうです。
良い魚体の見分け方
鮮度の見極めるポイントをご紹介します。
・お腹が柔らかすぎないか
・お腹が破れていないか
・頭の部分の先端がダメージをうけていないか
などをチェックしましょう。
※頭の先端の黒い部分がしっかり残っている方が良い
下処理
1.うろこを取ります。
下身から庖丁の刃先をつかって 尻尾から頭の方向へ
2、頭をとります。
3、腹先の部分を落として内臓をかき出します。
血合いは多くない魚ですのでまな板の汚れも少ないです。
4、まな板を綺麗にします。
5、魚も洗います(血合いの部分をしっかり流します)
イボダイのポイントは「表面の皮目を残すか残さないか」
銀色の皮目は脂がしっかりあるので、残してあげた方がイボダイの美味しさが引き立ちます。
三枚おろし
3枚おろしが基本です。イサキのおろし方と同じ工程です。
1、表面の水分を取ります。
2、下身の部分から刃先で1~2mm程度切り込みをいれてから2回目の包丁で脊髄までおろします。
3、ひっくりかえして背中側、背びれの際に切り込みを入れ2回目の包丁で脊髄までおろします。その後、頭の方までおろします。
4、脊髄の部分を切り離します。
5、ひっくり返して しのぎの角度を脊髄に沿えて頭の方まで引っ張っていきます。
6、次は上身の部分です。前工程と同様に1回目の包丁で1~2mm程度切り込みを入れてから2回目の包丁で脊髄までおろします。
骨抜き
1ガンバラを外します。(ガンバラ部分は薄くなっているので、腹の部分を取りすぎないように注意しましょう)
2、血合い骨の部分をしっかり手で触って確認してから抜いていきます。
鮮度が落ちても、身がしっかりしているのがこの魚の特徴です。骨が抜けない場合は先に塩をふります。塩をすることで身の締まりがゆるくなって骨が抜きやすくなります。
4、骨が無いか確認してから塩をふっていきます。まずは皮目の部分、ひっくり返して同じく振り塩をします。
締め物の場合は10分~15分程度ふっておきます。5分程度で水分が出てきて、臭みが抜けたのと表面が引き締まってきます。
湯霜
振り塩をして時間をおいていたものは表面からしっかり水が出てきます。
氷水に入れてから湯霜の工程に入っていきます
1、ふきんを上にかけて(キッチンペーパーでも可)湧いたお湯をかけ、その後氷水をかけます。
2、粗熱がとれたらペーパーで水気を切って使います。
3、皮引きをします。
イボダイの皮は薄い上にしっかりとしている為、このままむくのは難しいです。酢を表面につけてなじませることによって皮がむきやすくなります。表面の酢を軽くふき取った後、皮を引いていきます。
酢締め・昆布締め
今回は酢締めにしたものと昆布締めにしたものを事前に作っておきました。
酢締め:塩15分 酢10分程度皮の部分が柔らかくなり、食べられるようになります。
昆布締め:湯霜して皮目を一度引き締めたら 酒で拭いた昆布に挟んであります。
切りつけ・握り
最後に切付けを行い、握っていきますイボダイは光物の一種ではありますが、白身魚のように癖が無く食べられます。
柑橘系:締めものによく合います。今回はすだちを添えています。
ワサビ:昆布締めをしたものに入れると味のアクセントになります。
昆布:薄くスライスして添えておくと香りが引き立ちます。
薬味:大葉と少量のみょうがを折り畳んでから刻んで添えます。みょうがは個性が強いのでふわっと香る程度にしましょう。
完成です
イボダイは夏場にかけて美味しくなってくる魚です。
一夜干しは全国各地で食べられる魚ですが寿司ネタとしてはあまり流通していない魚です。
美味しく食べられますのでぜひ挑戦してみてください。