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マグロブロックのおろし方

部位の呼び名

出典:http://www.uomaru.co.jp/

部位によっておろし方が異なるので、それぞれ説明していきます。まずは、マグロの各部位を見ていきましょう。マグロはざっくり以下のような部位で分類します。

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背上(頭側) 背中 背下(尾側)

腹上 腹中 腹下

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ちなみに、大トロは腹上の部分を指します。

事前準備

マグロをおろすには、一般的には牛刀(両刃で筋などの切りにくいものを切るのにも優れている)を使います。柳刃包丁、出刃包丁を使用しても良いでしょう。

マグロをおろした後に、ブロックを入れておくもの(ステンレスの調理バット)も準備しておきます。新聞紙などを敷いた上に、水気を吸収する清潔な紙、クッキングペーパーなど敷いておくと良いでしょう。

水浸しになったらぺーパーは適度に取り替えますが、水分が吸われすぎない程度にとどめます。

用途に合わせておろす

頭の断面の4分の1の背中側をひっくり返すと、コロと呼ばれる部位となります。肉や骨のつき方がそれぞれに違いますし、筋が通ったところもあるので、おろし方が変わってくるということです。

基本のおろし方はありますが、この部分は刺身用の大きさでサクを取ろうとか、ここは握りのために使おうなど、きちんと用途を考えながら、それに合わせておろすことが必要です。

寿司店の場合は特に、どのようにお客様にお出しするのか、用途を把握してからでないと、おろせないということですね。

マグロをおろす時のポイント

皮が水揚げされてから輸送される過程で、結構汚れているので、しっかり洗ってからおろすようにしましょう。まな板の上にもフキンを置くなどして、身と皮が直接触れないようにして、衛生管理をすることも大切です。

牛刃のような両刃で切る場合は、右側から切っても左側から切っても構わないのですが、原則、柳包丁のような片刃で切る時には、刃がある側を確認し、包丁を平らにして、ワンストロークでスパッと切るようにします。

角がしっかり立った綺麗な刺身にするためにも、刃の入れ方には気を使いましょう。包丁を何度も往復させて切ると、断面の部分の美しさが損なわれますので、ワンストロークで切ることがコツです。

身に刃を入れ、下に向かっておろす時に、皮のところまでしっかり刃を入れておくと、身と皮が剥がれやすくなります。また、筋を皮に残すように切ると、後処理が不要になります。

落とした血合いに近い部位は、多少の血合いが残っていたり、筋が多い部分なので、臭みなどの原因にならないよう、再度しっかり取り除きます。マグロを持ち上げる時には、身割れを防ぐため、頭と尾を持って持ち上げるのではなく、腹側と背中側を持ってください。

背中の部分(トロ)

一番よく使われる背中の部位をおろしていきましょう。トロと呼ばれる部位ですね。トロの部分は、指4本分(約8cm)は握り用のサクに、指3本分(約5cm)は、刺身用のサクにしていきます。

まず、血合いと骨を取り除いていきます。この血合いは栄養分が多く含まれている部分ではあるのですが、変色しやすい、臭みがでやすいので、身に残らないようにしましょう。

この血合いがある側をブロック1として、順次おろしていきます。そのまままっすぐおろしていきます。切る時の幅(厚さ)は約2センチ。上記の図でブロック1とした部位を、調理用バットの左側に寄せ、後で順序がわかるように並べます。

続いてブロック2、3…と置いていきます。マグロを並べる時には、マグロの身同士が重ならないように、部位ごとに並べてください。皮が付いていた部分というのは、どうしても筋が残りがちです。

切れ味の良い包丁で、表面が滑らかになるようにそぎ落としましょう。このやり方は、冷凍マグロでも生のマグロでも同じです。

背中の部分(トロ以外)

ここはポイント!背中の端の部分は、筋が強い部分になるため、筋を避けて、テンパ(赤身)の部分のみおろすようにします。筋が通って食べにくい部分は、別に分けておき、下処理をしてから鉄芯(*)にするために、引っ掻くようにして取ります。

背びれの部分は、指を通すと簡単に取れます。皮ぎしの背トロと呼ばれる部分です。背びれと身の接着部の膜を取り除きます。筋が通っている部分なので、包丁でトリミングします。

ブロック1からブロック6まで順番にそして半端に切り落とされた部位である赤身が調理バットに並んでいます。ブロック1(血合い下、背びれから一番遠い部位)が一番筋が少ない部位。

ブロック6に近くにしたがって、筋が目立つようになります。筋が薄い部位、筋が強い部位を用途に合わせて使い分けましょう。*鉄芯:鉄火巻きなど、巻き寿司に使う寿司ダネのこと

お腹の部分(モロハラ)

次は、モロハラと呼ばれるお腹の部分をおろしていきましょう。この部位にはガンバラと呼ばれる部分がくっついていますので、まずはこれを取り除く必要があります。ガンバラの部分を確認しながら、骨に沿って、すくい上げるようにしながら、切り落としていきます。

残った骨の部分は、引っ掻いて鉄芯にしましょう。お腹の膜は、身をおろす前の時点で削いでしまった方が楽です。皮の部分を切り剥ぎたい場合は、身を持ち上げて、まっすぐ包丁を入れてあげると、取りやすいです。血合いの部分も取り除いていきましょう。

お腹の部分(大トロ・中トロ)

中トロに関しても、切る時の幅(厚さ)は2センチ程度で。臭みの原因になる血合いや筋が身に入ってしまっているような部分は、潔く取り除きましょう。

このお腹の部分というのは、太い骨もあるし、腹の膜もあるため、歩留まりが悪い箇所なんです。大トロの腹上の部分を処理する時の注意点として、刃が骨に当たる部位を切る時には、柳包丁だと刃こぼれを起こす可能性があるので、牛刀か出刃包丁で切るようにしましょう。

皮と身を切り剥がす際には、どうしても筋や腹の膜が身に残ってしまうことがあるので、トリミングは欠かさないようにしましょう。身割れしないように、丁寧に取り剥がします。エラ骨などが残っていたら、ちゃんと除くようにします。

頭に近い部位の処理

頭に近い部位は筋がとても多い部位なので、刺身に使うのはなかなか難しいでしょう。先ほどと同じように、血合いとエラ骨などの骨を取り除いていきます。

骨が身に曲線を描きながら入り組んでいる箇所もあるので、注意しながら除いていきます。ここまでのやり方は今まで見てきたおろし方と同様です。頭に近い部位は、刺身などに使える部分が少ないので、手柵で1本分位は火を入れる料理、例えば串焼きや煮物に使ったりします。

上記の手柵1つ分を抜かした部分からサクを取っていきます。筋の強い箇所は、筋に対して垂直に刃を入れるように切り、ステーキにして食べるのも良いかと思います。

尾に近い部分・赤身部分

<尾に近い部分>

尾に近い部分は、血合いが多いので、しっかり取り除きましょう。尾に一番近い箇所の血合いは、少し包丁でえぐるような感じで取ります。あとは、他の部位と同じくサクを取り、筋を取っていきます。

この部位も、頭に近い部位と同様、刺身などに使える部分が少ないので、火を入れる料理に使う方が適しているでしょう。

<テンパと呼ばれる赤身の部分>

血合いの部分を取ってから、歩留まりが悪くならないように、用途を考えながらおろしていきましょう。手柵でどの面を取れば効率がいいのかを見極めてから、テンパネを取っていきます。

この部位は筋がほとんどありません。用途に合わせて切り分けていきましょう。冷凍したい時には、ラップをして、おろしたらなるべく早く、鮮度が高いうちに冷凍保存します。

血合いの部分も、とても新鮮なマグロから取ったものであれば、生姜醤油などで臭みを抑えて竜田揚げにしたり、ニンニクで香り付けをして焼き物に仕上げたり、工夫すれば美味しく食べられますよ。

マグロの保存方法

お店で保存する場合など、コロの状態でテンパをはずしてあり、さらに皮が剥がしてある方が保存状態は良くなります。皮の部分をカットし、まな板から皮の部分を出して包丁で切り落とすと楽です。

保存できる状態になったら、水分を吸うクッキングペーパーで身を包むようにします。(水分が紙に吸収されすぎるようなら、ペーパーからラップに変えた方が良い。)

ペーパーに包んだ身を、さらに空気に触れないようにビニール袋に入れておきましょう。氷を敷き詰めた発泡スチロールの容器の中に、ビニール袋に入れたマグロを入れ、袋の上にも氷を置いて、全体を冷やすようにします。

冷蔵庫に入れる場合も、アルミのバットの上にさらに氷をおくことによって、保存性、冷却性が増します。冷蔵庫内の温度は0°C〜2°C程度の設定が一般的です。

日本人と寿司の
近くて遠い関係

フジヤマ、キモノ、スシ。これらは海外から見た日本文化のイメージだが、私は富士山に登ったことも、着物を着たこともないし、寿司も握れない。

海外へ行くと日本人なんだから寿司を握ってとリクエストされることがある。寿司は家庭料理ではないんだよ。と断るのは簡単だがなんとも居心地が悪い。そんな私も日本人。

ホームパーティーや、営業・社交ツールとしての活用から、自宅で体験レッスンを開いたり、寿司の技術があれば世界が広がります。

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